日向くんを本気にさせるには。
まるでそれに釘付けになってるみたいで…
気になって日向くんが見てる窓と反対側からこっそり見てみた
「……っ、」
けどすぐに後悔した
日向くんの視線の先にいたのは
………ひとりの女の子だったから
中庭のベンチに腰掛けて
木の下の木陰で本を読んでいるひとりの美少女
遠くから見てもわかる
真っ黒で艶のあるサラサラの髪
真っ白で雪みたいに綺麗な透き通った肌
大きなパッチリした瞳
あんな子見たことない…
日向くんに近づく女の子はたくさんいた
けど…
あの子は見たことないし、知らない
もう一度…日向くんの方を見ると
「っ…、」
やっぱり日向くんがいま見てるのは
まぎれもなくあの美少女…