日向くんを本気にさせるには。



━━━━━ガラガラ…




よかった…誰もいない


教室はすっかり誰もいない空っぽ状態


自分の席にいってみるとルーズリーフが数枚置いてあって


ふせんのメモには



『今日の授業のノート!ふたり分板書するの大変だったんだからね!明日ちゃんと話聞くから覚悟しときなよ!』


美緒の特徴がある字でそう書かれてた



「ほんと美緒は優しいなぁ…。」


美緒が板書してくれたルーズリーフを
クリアファイルに大切にしまった



「よし…帰ろ。」


再びカバンを持ち上げて帰ろうとした時


ふと視線が窓側に向いた



日向くんの視線を釘付けにしてた
あの子は…誰なんだろうって


そんなこと今さら考えたって虚しくなるだけ…だ

グッと自分の中で涙を堪えた


そして視線をすぐに戻して帰ろうとした

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