日向くんを本気にさせるには。
「…じゃあ優しく触れなきゃいいの?」
手首をグッと掴まれて
少し乱暴に壁に身体を押しつけた
「…な、なにするの…っ」
「…雫が言ったんでしょ。優しくしないでって。」
至近距離で見つめる日向くんの瞳は
本気…だ
「そ、そういうことじゃ…ない…っ…」
わたしが訴えても日向くんの瞳は揺るがない
「……安心しなよ。雫も他の女と同じように僕のものにしてあげるから。」
冷めたような表情でまるでトゲがあるような言葉が胸に突き刺さる
痛い…っ…手首を掴まれる力よりも
胸の方がずっと痛い…
「さ、最低…っ…」
「…どっちが?」
どっちがなんて質問おかしい
最低なのは日向くんでしょ…?
わたしは何もしてないのに…
「もう嫌…っ…嫌い…日向くんなんて大っ嫌い…っ」
「……」
「最低…っ…ほんと最低…」