日向くんを本気にさせるには。
「…誰だって雫には関係ない。」
ほら…またそうやって一線を引いてくるんだから…
「逃げないで応えてよ…っ…!」
「……。」
さっきよりも感情が高ぶって強い言葉をぶつける
そんなわたしに対して何も言わずに
少し表情を歪めて黙り込む
ほら…結局こうなる
わたしが一歩踏み込めば日向くんは
一線を引く
前に言ったのはやっぱり嘘だったの…?踏み込んでこいなんて…自分から言っといて
「黙るなんて…ズルいよ…っ」
そんな態度取るなんて…
意味わかんない…
「……ごめん。」
「なにがごめんなのか教えてよ…っ!」
「……。」
「もう…いいよ…っ」
力無く壁に手をついた日向くんを
おもいっきり押し返して
グッと自分の手で涙を拭って教室を出た