日向くんを本気にさせるには。
この子はわたしに何が言いたいの…?
「残念だけど、雫ちゃんよりわたしが月夜のこと知ってるんだよね。」
確かに…わたしは日向くんのこと
何にも知らない
ずっとそばにいたくせに…
日向くんのこと何一つ知らないなんて…
惨めすぎる今の気持ちをどうにかして…
「ちなみに、月夜が何でここにいないか知りたい?」
知りたい…けど海ちゃんから聞くのには気が引ける
海ちゃんは知っててわたしは知らない…
「月夜はね……」
「いい…っ…!それ以上喋らないで…っ!」
大声を出して海ちゃんが喋るのを遮った
その先が聞きたくなくて
気がついたら保健室から飛び出して
海ちゃんから逃げた……
「なぁんだ…。あの程度の子なんだ。」
海ちゃんがそんなことを呟いていたことも知らずに…