日向くんを本気にさせるには。



「わかれよ、バカ。」


ギュッて抱きしめる力が強くなったのがわかる


「ちょ、ちょっ…いったん離れ…」



「ヤダね。離したらお前どこに行くかわかんねーもん。」


「なにそれ…。」



朔の胸に耳を当ててみると
ドキドキと鼓動が速い


これ…あの時と一緒くらいの速さ…だ


球技大会の時…わたしをお姫様抱っこしてた時と同じくらい



「あ、あんま近づくなよ。」



「自分から近づいてきといてイミフ。」


「ば、バカ…っ。好きな女がこんな近くにいて焦らねー男はいねーんだよ…。」



珍しく朔がテンパりながらも
真面目でこんなドキドキしてるってことは



………本気ってこと…だ



「離してくれないと返事できない。」


わたしのこの言葉に朔の身体がピクッと跳ねたのがわかる

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