日向くんを本気にさせるには。



「行くなって言っただろ、バカ…。」


目に焼きつくように映る光景が
一瞬で暗くなって消えた



「なんで来てんだよ…バカ。」



声だけでわかる……


いまこの声を聞いてすごく安心した


助けてって…


苦しい心で叫んで…



来てくれた…



「……ぅ…さ…く…っ…」



朔の大きな手がわたしの視界からふたりを消してくれた



「ほんとお前はバカ…だ…。」


「ぅ…うぅ…っ…っく…」



視界が朔の手で覆われたまま


わたしはこの場をあとにした……

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