日向くんを本気にさせるには。
「ったく、バランス崩しても助けてやんねーぞ?」
「ふんっ、バランスなんて崩さな…」
キキーッとバスが急ブレーキ……
バスの中が一気に揺れて
人の波がわたしに襲いかかってきた
「ぅ…ぎゃあ!」
潰れる潰れる!みなさんここにひとりいるってわかってる!?
みんなお構い無しに押し寄せてくるんだけど
「うぅ…なんでわたしがこんな悲惨な目に遭わなきゃいけなのぉ…」
「素直に俺に掴まっときゃいいじゃん。」
「うぅ…」
「ほれ。」
な、なぜに手を差し出してくる?
「は…?いや、カバン掴むからいいよ!」
「バーカ。カバン掴まれたら重いだろーが。」
「で、でも…きゃっ…」
もうバランス上手くとれないよぉ…
運転手さん運転荒すぎだよ
「ほれ、みろ。言わんこっちゃない。」
グラついたわたしの身体を朔が支えてくれた