日向くんを本気にさせるには。



「月夜は月夜なりに考えて雫ちゃんにそう言ったんだよ。」


「な、何それ意味わかんない…っ!」



「きっと、今アイツの中で何かが変わろうとしてるんだ。」


「ますます意味わかんないよ鈴原くん……。」


ひとりだけ何かを悟ったような顔してるけど



「少し話戻してもいい?」


「……ん。」



「雫ちゃんがさっき言ってたように月夜が好きだったのは紛れもなく海だ。」


痛い…胸がすっごく痛い…


「月夜と海ふたりは幼なじみでさ。小さい頃からずっとふたりで一緒。お互いのことよく理解し合っててお互いそれぞれの存在を求めあってた。」


日向くんと海ちゃんが幼なじみ……?


やっぱりふたりの関係は深いもので
わたしが入り込む隙間なんてないくらい…


「俺もあのふたりを一番近くで見てきたからよくわかる。だから俺はふたりの幸せを願った。」


なんで…鈴原くんがそんな苦しそうな表情してるの…?



「けど、海は月夜の気持ちを最終的に裏切った。」

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