日向くんを本気にさせるには。



「な、なんで抱きしめられてる…?」


「……雫が泣きそーだったから。」


後ろから耳元に届く日向くんの声がいつもと少しだけ違う



「だ、だって日向くん…さっきから冷たいし素っ気ないし怒ってるし目合わせてくれないんだもん…っ」


わたし日向くんの態度一つでこんな風になっちゃうんだよ…



「……そんな泣きそーな声出さないで。」


ギュッて抱きしめる力が強くなった



「日向くんに素っ気なくされたら泣きそーになっちゃうんだもん…っ」


「……そーゆとこほんと可愛いてたまんない…」



くるっと身体が回って
一瞬で目の前が日向くんになって



「…もっと僕でいっぱいになってよ。」


そっと日向くんの影が近づいてきて…
キスを落とした



「ん…っ…」


いつもより強引な唇の重ね方……
それについていくのに必死…


最初は軽く触れるだけだったのに
どんどん深くなっていって


いつもの優しいキスとは少し違う


どこか強引で荒いキス……



「はぁ…ぅ…」


キスが終わる頃には息をするのも大変で頭もボーッとして身体の力も抜けて


「……ほら、僕のほーに身体預けていーよ。」


自分じゃうまく支えられなくて
日向くんの言われた通り身体を預けた

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