日向くんを本気にさせるには。



「……今日雫とこーして一緒に過ごせたことが僕にとって最高のプレゼントでしょ?」


「そ、そんなの…わたしだって一緒だよぉ…っ」


それじゃプレゼントにならないよぉ…



「……今日1日で雫の笑顔たくさん見れたからそれだけで充分。」


「うぅ…っ…日向くん優しすぎるよぉ…っ」


こんなこと言ってくれるのは日向くんだけだよ…っ



「……プレゼントは物だけとは限らないでしょ?」

「で、でも…っ、やっぱりちゃんと形に残る物のほうが…」


わたしはちゃんと貰ってるのに
返せてないなんて…やっぱり申し訳ない…



「……じゃ、ひとつプレゼントちょーだい。」

「それ、わたしがあげられるもの…っ?」


「……雫じゃなきゃダメなんだよ。」



フッと笑みを浮かべながら近づいてきて

一瞬イルミネーションの光が日向くんに重なって見えなくなって


ふたりの距離がゼロになった


「っ…!」


「……これプレゼントってことで。」


さっきまで冷たかった唇が
一瞬で熱を帯びた

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