日向くんを本気にさせるには。



まったく…日向くんはどうやっていままでバレンタインを乗り越えてきたんだ?


「……んじゃ、雫は僕にチョコくれないの?」


用意してるよ、ちゃんと
でもどうしてもあの大量のチョコたちが気に入らない心の狭さ…


わたしのチョコは未だに日向くんの手に渡らずカバンの中で待機中



「……女の子がチョコと一緒に気持ち伝える日なんでしょ?」


「うっ、だって日向くんはわたしからじゃなくてもたくさんもらってるじゃん…っ!」


やっぱりわたしは心が狭いし
独占欲ってやつが強いらしい



「……雫からもらわないと意味ない。」

「っ、」


「……知らなかったし。そんな日だったってこと。知ってたら受け取らなかった。」


「ほ、ほんとに…?」


知ってたら受け取らなかったって
もし知ってたらちゃんと断ってくれてたのかな


「……ほんと。てか雫のしかいらない。」

< 383 / 387 >

この作品をシェア

pagetop