日向くんを本気にさせるには。
教室の暖かさから少し冷たい廊下の風が頬にあたる
意識がぼんやりしてても…わかる…
いま間違いなくわたしは日向くんの近くにいる
「……他の男に触らせるとか論外。」
ほら声も聞こえる…
「……僕だけだから。」
少し掠れた声で…どこか切なそうな声が耳に届いて
何かはわからないけど頬に柔らかい感触が一瞬だけ触れた…
━━━━そこでプツリと意識が飛んだ
***
「……ん。」
目を覚ますとお決まりの白い天井と
鼻にくる消毒の匂い…
そして
「え…、」
わたしの眠るベッドの横に
「…目覚めた?」
イスに腰掛けた日向くんの姿
「あ、あれ…なんで日向くんが…」
ちょっと頭がプチパニック
確かわたし教室で倒れて
そのあと朔が支えてくれて
あれ…でも確か日向くんの声も聞こえて