嘘は取り消せない
桜姉の携帯を借りて、九ノ瀬さんと
連絡を取る

『もしもし』

「あの、俺です 湊です」

『お!湊か! どうした?』

「桜姉が階段から落ちて、記憶障害が
出るかもしれないということで」

『は………………?』

「だから、九ノ瀬さんには伝えた方が
いいかと思って」

『ありがとな 星野宮病院でいいか?』

「はい 307号室です」

『すぐ向かう!』

そして通話が切れる
「九ノ瀬さんすぐ来るって」
「そうか……」
「父さん達は明日には帰ってくるらしい」
「分かった」





「桜姉、絶対に星を見に行くから」
約束だから

だからどうか、俺達のことを覚えておいて
死ぬよりも、記憶から消されちゃう方が
悲しい人だっているんだから
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