嘘は取り消せない
次の日

お母さんと車で15分くらいの塾へ向かう
「結構雪が積もってるね〜」
「そうねぇ」
窓から見る景色はとても懐かしくて
「また桜と一緒に車に乗れるなんて
思ってもなかったわぁ」
「私もだよ」
運転席に座っているお母さんの顔は本当に
嬉しそうで、私も、また一緒に乗れたことが嬉しくて、ふたりして終始笑い続けた
状態だった

そして、駄弁っていたらすぐに塾についた
「すごい大きいねぇ」
「そうでしょう 星野宮市でも有名なところよ」
茶色く、古びた外観は歴史を感じさせる

三年前はこんなのなかったのになぁ

自分の育った街なのに自分の知らない事が
あるなんてちょっぴり不思議



_______________そして少しだけ、悲しい




「さぁ、行きましょうか」

少しだけ嫌な予感がしたけれど
私はこの時、すごく期待に溢れていた
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