嘘は取り消せない
九ノ瀬side

「倉科さんはもう目が見えません」


そんな宣告をされた時はもう膝から
崩れ落ちそうだった

なんで倉科さんだけが不幸なのか

ただそれだけの疑問が頭に浮かんでいた





立花さんはもうこの情報を手に
入れているはずだ
だけど絶対に倉科さんには手を出させない
またいつか俺に接触してくると思う
だったら今度は俺から接触してやる
そう思い、公園で立花さんと秋月を
待っていた
案の定二人はここを通っていて、

「やぁ、久しぶりだな」
「またお前………」
「九ノ瀬君じゃないですか!?」
「今日は二人に話があるんだ」



_______________倉科さんのことについて




そう言うとあらかさまに顔を顰める秋月と
驚き、目を見開いている立花さん

「秋月、お前に言っとくことがある」
「何」
「倉科さんの中にお前はもういないよ」
「は、」
「詳しいことが知りたかったら立花さんに
聞いてくれ 立花さんの父が倉科さんの
専属医らしい あと、お前の兄が死んだ
本当の理由も知ってる」
「どういう…っ」
「それだけだから、じゃあな」





立花さんは予想外のことが起きて
ついていけてなかった
だけど、秋月からの質問からは
逃げられないはずだ





「ごめんな、倉科さん」



俺は訳もなく倉科さんに謝った
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