嘘は取り消せない
立花side
待って、待って、
九ノ瀬君は秋月君になんて言った?
“お前の本当の兄が死んだ理由も知ってる”
なんで今ばらしたのよ
「なぁ、立花さん、どう意味?」
ほら、今までの関係が崩れちゃうかも
しれないじゃない
あぁ、そっか
「倉科さんの中に秋月君がいないことは、
本当だよ」
「だけど、それには理由があるの」
もういっそ嘘をついちゃえば良いよね?
上手くいけば秋月君はもう倉科さんのことを
見なくなる
「あ、のね九ノ瀬君と倉科さんは
付き合うらしいの」
「九ノ瀬君と前二人で話してた時に」
「言ってもよかったけど自分から言うからって
あともう倉科さんに関わるなって脅されて」
「せめて倉科さんにおめでとうくらい
言いたかったのに」
「多分今頃家で二人で遊んでるんだよ……」
どう?悲劇のヒロイン
九ノ瀬君に関わらなければ倉科さんに
会うことも無くなるでしょ?
だって今は病院にいるんだもの
「立花さんってそんなわかりやすい
嘘つく人だったっけ?」
「え?」
「俺さ、結構前に付き合ってた彼女が
嘘が得意だったんだよ」
「それで大体の嘘はわかる」
「まぁ、最後の最後まで彼女の嘘は
見破れなかったけど」
「あと、九ノ瀬は立花さんの父が専属医だと
言ってた そんなこと言うんだったら
倉科さんは病院にいるんじゃないのか」
「今の九ノ瀬が桜と付き合ってる?
だったら九ノ瀬はわざわざここまで来て
自慢しに来るほど性格は悪くない」
秋月君から出た“桜”の一言で私は焦る
秋月君からその言葉が出る時は
精神的にまいっている時か
倉科さんってことに頭が回らないほど
焦っている時か
多分後者だろう
病院にいると気づいて焦っているはず
「でもっ、本当のことで、
九ノ瀬君が言ったことは本当だよ!」
「へぇ、本当のことなんだ」
そこで私が自ら墓穴をほったことに気づいた
「あ、違っ」
「じゃあ兄さんが死んだ理由って、何?」
今までの努力が水の泡になりかけている
「そ、れはっ」
「今更嘘とかどうでもいいからさ」
「でも、私のこと嫌いになるかもよ?」
「別に、元々好きじゃないけど」
そうだった
秋月君は未だに倉科さんのことを
忘れてないんだね
もういいや
全部言っちゃえ
待って、待って、
九ノ瀬君は秋月君になんて言った?
“お前の本当の兄が死んだ理由も知ってる”
なんで今ばらしたのよ
「なぁ、立花さん、どう意味?」
ほら、今までの関係が崩れちゃうかも
しれないじゃない
あぁ、そっか
「倉科さんの中に秋月君がいないことは、
本当だよ」
「だけど、それには理由があるの」
もういっそ嘘をついちゃえば良いよね?
上手くいけば秋月君はもう倉科さんのことを
見なくなる
「あ、のね九ノ瀬君と倉科さんは
付き合うらしいの」
「九ノ瀬君と前二人で話してた時に」
「言ってもよかったけど自分から言うからって
あともう倉科さんに関わるなって脅されて」
「せめて倉科さんにおめでとうくらい
言いたかったのに」
「多分今頃家で二人で遊んでるんだよ……」
どう?悲劇のヒロイン
九ノ瀬君に関わらなければ倉科さんに
会うことも無くなるでしょ?
だって今は病院にいるんだもの
「立花さんってそんなわかりやすい
嘘つく人だったっけ?」
「え?」
「俺さ、結構前に付き合ってた彼女が
嘘が得意だったんだよ」
「それで大体の嘘はわかる」
「まぁ、最後の最後まで彼女の嘘は
見破れなかったけど」
「あと、九ノ瀬は立花さんの父が専属医だと
言ってた そんなこと言うんだったら
倉科さんは病院にいるんじゃないのか」
「今の九ノ瀬が桜と付き合ってる?
だったら九ノ瀬はわざわざここまで来て
自慢しに来るほど性格は悪くない」
秋月君から出た“桜”の一言で私は焦る
秋月君からその言葉が出る時は
精神的にまいっている時か
倉科さんってことに頭が回らないほど
焦っている時か
多分後者だろう
病院にいると気づいて焦っているはず
「でもっ、本当のことで、
九ノ瀬君が言ったことは本当だよ!」
「へぇ、本当のことなんだ」
そこで私が自ら墓穴をほったことに気づいた
「あ、違っ」
「じゃあ兄さんが死んだ理由って、何?」
今までの努力が水の泡になりかけている
「そ、れはっ」
「今更嘘とかどうでもいいからさ」
「でも、私のこと嫌いになるかもよ?」
「別に、元々好きじゃないけど」
そうだった
秋月君は未だに倉科さんのことを
忘れてないんだね
もういいや
全部言っちゃえ