嘘は取り消せない
次の日、病院へ向かうと入口に秋月がいた

「やぁ、」
「なんでここにいるんだ?」
「立花さんから話聞いた」
「どれだけ?」
「兄のこと、倉科さんが入院していること」
それだけか………
倉科さんが秋月を振った理由とかは
話してないのか

「で、なんでここに来たんだ」
「ダメもとでいうけど、桜に会わせて」
「は?」


「立花さんはどうしたんだよ」
「別に、どっかいった
元々好きじゃないし、俺に嘘ついて
近づいてたことは薄々気づいてたし」
「なんで今更 お前は倉科さんの何も知らない
だったら、」



だったら関わって倉科さんを傷つけるだけだろ


その言葉を口に出す前に秋月が話したこ
「知らないから知りに行くんだ」
「立花さんが全部教えてないことも知ってる」
「じゃあ自分で知りに行くだけだ」



「分かった だけど後悔するなよ」
「別に今更、桜に何かを
感じるわけでもないから」

秋月、好奇心猫をも殺すって言葉知ってるか?
なんて、心の中で呟いてみる
好奇心で自分の心を傷つけるのは
自分なんだ
別に何も思ってないなんて言ってるけど
“倉科さん”から“桜”になってることに
気づかないのか


お前“も”、まだ心のどっかで倉科さんのこと
好きなんじゃないのか



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