嘘は取り消せない
扉から入ってきたのは正真正銘元彼の蛍で
入ってきた蛍も顔を歪ませている
私とお母さんも固まってしまった
その異変に気づいてない塾長は話を進める

「一体一でやるから明日から来れるかな?」
「えっ、えぇ」
「理恵さん?」
「…………お母さん、私は大丈夫だよ?」
「桜…………」
「じゃあ明日から来れるかな?」
「はい」
「蛍君もいいかい?」
「まぁ、はい」

渋々と言った感じで了承する蛍


「では、ありがとうございました」


帰り道

「桜、本当にいいの?」
「うん 蛍とはもう他人だよ」
そう他人なんだ
「でも……」
「大丈夫 乗り越えないと
いけないことだからね!」
所詮蛍にとって私は過去の人間なんだ

だったら私も何も感じなければ済むことなんだ
でも、昔の感情を捨てるというのは
簡単なことではなくて
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