人魚姫のカウントダウン
3.ろうそく
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さいごにあなたの誕生日をお祝いさせてほしいの
それだけでいいの
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ピンポーン。
指定していた時間ピッタリにウチのインターフォンが鳴った。
さぁ、いらっしゃい。
天国まであとわずか。
玄関を開けると、神妙な面持ちでいた。
当然よね、私を一度殺した身なのだから。
フフフ、でも私は生き返ったのよ。
そう、あなたとともに天国へ逝くためにね。
彼がリビングの二人掛けのテーブルに腰を下ろす。
そう、その場所は私と食事をする時にいつも座っていた場所。
ありがとう、ちゃんと覚えていてくれて。
私の目の前で逝くのにはとっても適した場所だと思うのよ。
「今日はね、蒼の好きなチーズケーキを作ってみたよ」
そう言いながら小ぶりのホールケーキを冷蔵庫から取り出す。
さいごの晩餐は私の作ったチーズケーキ食べたいっていつか言ってくれたよね。
ねぇ覚えてる?