年下の君はバンドマン
「たまーにヒールでライブハウス来るやつ居ますけどそんな人じゃなくて良かったです」


苦笑いしながら言う眞也君はなんだか割とライブを見に行ってる感じの雰囲気だった。



「いやいや、ヒールなんかじゃ来ないよ〜。これでもこのバンドが好きで割とライブハウスに行ってるんだからね〜?」



このグループを好きになって三、四年くらい経っただろうか。


ライブに行くようになったのは一昨年くらいからだけどね。


「ちらっと花奈から聞いたことあります。あ、とりあえず物販並びに行きますか」



そう言うと眞也君はリードしてくれるようにライブハウスへと足を運び出した。


わたしもそれについてくように眞也君と歩き出す。


「え、花奈なんて言ってたの?うん。とりあえず欲しいものソールドアウトしちゃ嫌だし並ぼっか」


「いやぁ、特に大したことは言ってないですけど、マイナーバンドのセカリミ知ってたんでなんでって話ししたことあるんですよ」


セカリミとは私と眞也君が今から行くバンドのグループ名。


正式名称は『Second Limit』という名前でボーカルが私の二つ上の男性という若手のグループだ。


ボーカルは割とイケメンで女性からの人気もあるがロック調なので男性ファンもそこそこ多い。


男性グループで大体女性ファンが多いけどこのバンドは5:5ぐらいの割合だ。


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