黒板に住む、文字で彩られた僕の初恋
1限目 夢日記
1.
高校二年になって、初めての登校日。
今は新学期になると必ずといっていいほど行われる、僕の苦手な自己紹介のまっただなかだ。
「じゃあ次は久保田だな!楽しみにしてるぞ~」
久保田君は僕の前の席の子で、野球部の鞄を持っているから、おそらく担任の松田先生と同じ野球部に所属しているんだろう。
先生は身を乗り出して、耳を傾け、彼の発表を待っている。
「先生任せといてください!名前は久保田敏也っていいます。とにかく野球が好きです!好きすぎてやばいっす!野球部では足の速さを生かして不動の一番センター……と言いたいところですが、今はベンチを入念に温めてます」
教室が爆笑の渦に包まれる。
嘘だろ……
久保田君がこんなにも明るい性格の持ち主だったなんて……
こういう子の後に発表することだけは、是が非でも避けたかった。
緊張と不安が、嵐のように一気に押し寄せてくる。
「ちょっとうるさいかもしれんけど、そこらへんは勘弁してください。皆さん仲良くしましょう!」
今日一番の大拍手が、教室中に鳴り響く。
「さすがや久保田!ただ先生はそこまで笑えんかったで、今日練習前にグラウンド十周な」
「先生勘弁してくださいよ~」
また爆笑の渦に包まれる。
高校二年になって、初めての登校日。
今は新学期になると必ずといっていいほど行われる、僕の苦手な自己紹介のまっただなかだ。
「じゃあ次は久保田だな!楽しみにしてるぞ~」
久保田君は僕の前の席の子で、野球部の鞄を持っているから、おそらく担任の松田先生と同じ野球部に所属しているんだろう。
先生は身を乗り出して、耳を傾け、彼の発表を待っている。
「先生任せといてください!名前は久保田敏也っていいます。とにかく野球が好きです!好きすぎてやばいっす!野球部では足の速さを生かして不動の一番センター……と言いたいところですが、今はベンチを入念に温めてます」
教室が爆笑の渦に包まれる。
嘘だろ……
久保田君がこんなにも明るい性格の持ち主だったなんて……
こういう子の後に発表することだけは、是が非でも避けたかった。
緊張と不安が、嵐のように一気に押し寄せてくる。
「ちょっとうるさいかもしれんけど、そこらへんは勘弁してください。皆さん仲良くしましょう!」
今日一番の大拍手が、教室中に鳴り響く。
「さすがや久保田!ただ先生はそこまで笑えんかったで、今日練習前にグラウンド十周な」
「先生勘弁してくださいよ~」
また爆笑の渦に包まれる。