黒板に住む、文字で彩られた僕の初恋
【ありがとう!それで私考えたんだけど、毎日だと大変だと思うから一週間ごとに交換しない?毎週月曜日にここで交換するの。】
「うん、いいね。そうしよう!」
【あとせっかくだから日記に名前付けない?】
「そうだね!何がいいかな……」
【啓太君って夢ってある?】
突然の質問に、はからずもとしの姿が脳裏をかすめた。
「えっと……僕は今のところないかな。ふみちゃんは?」
【私もまだ見つかってないの。それなら二人の夢が見つかって、叶いますようにっていう願いを込めて、“夢日記”っていうのはどう?】
「夢日記か……うん、いいと思う!」
【お互いこの日記で夢が見つかるといいね。】
正直僕にとって、“夢”というのはどこか遠い存在のもののように思っていた。
自分は平凡に生活できればいいと、そう思っていた。
彼女に出会えたことで、自分が本当の意味で変われて、成長できるんじゃないかと今は心から思う。