黒板に住む、文字で彩られた僕の初恋



何だかいつもとちょっと違う感覚の月曜日。


正直今日の授業は全然頭に入らず、せいぜい覚えているのは“フランシスコ=ザビエル”ぐらいだろうか。


今日一日中、日記の最後の一文を消すか、それとも残しておくかで頭の中はいっぱいだった。


結局悩んだ末、残したまま今は“家”のベンチに座っている。


彼女はまだ来ていない。


もう日記を百回以上は読み直したから、誤字・脱字などのミスはないはずだ。


ただ脳裏をかすめるのは、やはり最後の一文だ。


消しゴムを取り出そうか取り出さまいか迷っていると、自転車のブレーキ音がふいに鼓膜をつついた。


一気に心臓の鼓動がはやくなり、夢日記を持っている手が汗ばむ。


足音が一歩一歩近づいてきて、前に会ったときと変わらず優しい笑顔を纏った女の子が、僕の隣りに腰掛けた。


手には僕と会話するときに使うんだろう、新しいノートが握られている。


色は僕が一番好きな黄色だ。

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