黒板に住む、文字で彩られた僕の初恋
「ふみちゃん久しぶり。元気だった?」
【うん、元気だったよ。啓太君は?】
「僕も元気だったよ」
相変わらず緊張のせいか、言葉が次々に出てこない。
そんな僕に相反して、彼女のペンは軽やかに進んでいる。
【啓太君がどんな文字で、どんなことを書くのかずっと楽しみにしてたんだ。】
「そんな……交換日記って初めてだから、どんなこと書いていいのか全然わからなくて……ほんと内容も面白くないと思うから、期待しないでね」
【全然大丈夫だよ。私も交換日記なんて初めてだから、絶対面白いことなんて書けないし…】
勝手なイメージだが、女の子はみんな交換日記をしているイメージがあったので、ちょっと意外だ。
「最後の一文はあんまり気にしないでね」
話をしている最中も、このことは頭から離れなかった。
【そう言われるとすごい気になる。楽しみだな~】
「えっ……」
自ら墓穴を掘ってしまった。