黒板に住む、文字で彩られた僕の初恋


「そういえばふみちゃんと遊んだことはあるのか?」


「日記を交換する日以外で、会ったことはないよ」


「じゃあ今回の日記で遊びに誘えよ!」


今週は、僕が日記を書く順番だった。


「そんな……無理だよ」


「でも一回ぐらいふみちゃんと遊んでみたいだろ?」


「確かにできることなら遊んでみたいけど、この日記は夢を見つける為の日記だから」


「そんな深く考えたらいかん。だって遊んでる中で夢が見つかる可能性だってあるだろ?ただいきなり二人でってのもきついと思うから、俺がついてってやるよ!」


としの魂胆が見えた気がした。


彼はただ、自分がふみちゃんに会ってみたいだけだ。


「それってもしかして、としがふみちゃんに会ってみたいだけじゃないの?」


「バカ、ちげぇよ!俺はお前の為を思って、しょうがなくついてくんだよ」


慌ててる様子からして、たぶん図星だ。

< 32 / 46 >

この作品をシェア

pagetop