黒板に住む、文字で彩られた僕の初恋
◇
帰りのホームルームが終わると、みんなそれぞれ仲良くなった友達と、軽く言葉を交わしながら教室を出ていく。
今日は人生で、一番充実した日だった。
今までいつも一人で食べていたお弁当も、今日は久保田君や席の周りの子たちと楽しく話しながら食べることができたし、家族としか使っていなかったラインも、初めてクラスメートの何人かと交換することができた。
「じゃあ部活終わったら連絡するから!ラインのトプ画絶対変えんじゃねぇぞ」
「うん、わかった。今日は色々とありがとう」
「おうよ!」
久保田君はそう言うと、重そうな部活の鞄をかついで、手をふりながら教室を後にする。
僕のラインのプロフィール画像は、昼休みの間に一緒に撮った写真に、勝手に変えられていた。
最初は恥ずかしくてすぐにでも変えようと思っていたが、今は嬉しさのほうが上回って、結局そのままにしている。
久保田君と二人で撮った写真をずっと眺めていると、いつの間にか教室には僕以外誰ひとりとしていなくなっていた。
さっきまでとは比べ物にならないぐらい静かになった教室を後にして、外に出ると、今の僕の気持ちを表すかのように、雲ひとつない青空が空一面に広がっていた。
部活には入っていないので、いつも通り駐輪場の一番端にとめてある、高校の入学祝いでおばあちゃんに買ってもらった自転車に跨って校門を出る。
校門を出てすぐ右に曲がり、目の前にそびえ立つ坂をのぼり終えると、歩道が極端にせまい橋が姿を現す。
その橋を半分ほど渡り終えると、右手に土手へと続く道の入り口があり、この土手を通るルートが父さんに教えてもらった学校までの一番の近道だった。
帰りのホームルームが終わると、みんなそれぞれ仲良くなった友達と、軽く言葉を交わしながら教室を出ていく。
今日は人生で、一番充実した日だった。
今までいつも一人で食べていたお弁当も、今日は久保田君や席の周りの子たちと楽しく話しながら食べることができたし、家族としか使っていなかったラインも、初めてクラスメートの何人かと交換することができた。
「じゃあ部活終わったら連絡するから!ラインのトプ画絶対変えんじゃねぇぞ」
「うん、わかった。今日は色々とありがとう」
「おうよ!」
久保田君はそう言うと、重そうな部活の鞄をかついで、手をふりながら教室を後にする。
僕のラインのプロフィール画像は、昼休みの間に一緒に撮った写真に、勝手に変えられていた。
最初は恥ずかしくてすぐにでも変えようと思っていたが、今は嬉しさのほうが上回って、結局そのままにしている。
久保田君と二人で撮った写真をずっと眺めていると、いつの間にか教室には僕以外誰ひとりとしていなくなっていた。
さっきまでとは比べ物にならないぐらい静かになった教室を後にして、外に出ると、今の僕の気持ちを表すかのように、雲ひとつない青空が空一面に広がっていた。
部活には入っていないので、いつも通り駐輪場の一番端にとめてある、高校の入学祝いでおばあちゃんに買ってもらった自転車に跨って校門を出る。
校門を出てすぐ右に曲がり、目の前にそびえ立つ坂をのぼり終えると、歩道が極端にせまい橋が姿を現す。
その橋を半分ほど渡り終えると、右手に土手へと続く道の入り口があり、この土手を通るルートが父さんに教えてもらった学校までの一番の近道だった。