甘い甘いその恋は
ちょうど付き合って1年。9月7日。
放課後デートをすべく、一緒に帰ってた。
私の好きなカフェでお茶する予定だった。
私は嬉しくてルンルンな気分で歩いてた。
智也が急に立ち止まって、黙った。
「なに?どうしたの?」
なにか、サプライズでも用意してくれてるのかななんていう甘い期待なんてしてた。
そんな期待も打ち壊すような鋭い一言。
「あのさ…俺たちもう友達に戻ろう。」
え?今なんて言った?
友達に戻る?ってことは別れるってこと?
「な…なんで?私なんかしちゃったかな?」
「蛍は悪くないんだ。俺…えっと…好きな人が出来ちゃったんだ…」
は?好きな人が出来ただと?
私ともう1年付き合ってんだよ?
ありえないっ!
「…訳わかんないっ!浮気ってことじゃん!…最悪…」
声を張り上げているうちに、目頭が熱くなってくる。
ここで泣いたらダメだ。涙で縋るわけにはいかない。
「ごめん…ホントにごめん…」
なんでそんなに申し訳なさそうな顔してんの…
「そんなに謝って智也の浮気を正当化しようとしないでっ!もういいっ…」
智也の前にいるのが辛くなって、走り出した。