堕ちる花の一片を(オチルハナノヒトヒラヲ)
だけど、お母さんがくれるものは全部、
親としての義務とか、世間体とか、そんなものの塊で、愛なんてこれっぽっちもなかった。
お母さんと笑いあった記憶もない。
だけど、15年間暮らしていて初めてその笑顔を見たのは私を突き飛ばしたときだった。
私が高校生になった頃、お母さんに旦那さんができた。
その頃にお母さんは小さなアパートから旦那さんと住むためのマンションへ越し、私はといえば追いやられるように一人暮らし用のマンションを与えられた。