堕ちる花の一片を(オチルハナノヒトヒラヲ)
引越しを済ませて、少ない荷物の荷解きも終わってしまった夜。
白いラグの上でペタンと座り込んだ。
カーテンを取り付けていない、ベランダへ続く窓から見えたのは、深くてそこの見えない夜空だけで、酷く寂しく思えた。
1人になっちゃったって泣きたくなった。
だけどよくよく考えて見ればもともと1人だったのかもしれない。
お母さんとの距離は、他人より遠かったし、
小さい頃から他人との接し方もよくわからなかったから友達もいない。
ずっと、ずっとずっとずーっと、1人だった。