【完】キミにぞっこん
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「よっ!」



応接間でニコニコとしたかおで待っている男。



「…なにしてんだよ」


「営業にきたんだよ」


「俺、お前の仕事に関係ないはずだけど?」


「これだよ。関係あるだろ?」



1枚の紙を見せてくる。



「なっ、これは中村さんの仕事だろ」


「俺に回してもらった」



見せてもらった紙の内容はたしかに俺の企画に関係のある内容で。

雷人の同僚の中村さんが担当だった。


本当ならもう
雷人には会いたくないのに。


俺の心が乱れるだけ。


なんでせっかくあまり会わなくなったのに
こんな大事な女がいるタイミングで
会わなきゃならないんだよ。

一番危険な男に。

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