【完】キミにぞっこん
「言ったよね?もう関係ないって」



冷たくそう言い放たれた。



「…え」


「ちょ!星那!」



由月さんが星那に駆け寄る。



「温泉入ってくる」



あたしはそれだけ言って、温泉に入る。



信用してもらえないんだな。

あたしの言い分なんて聞いてもらえなかったし。



『言ったよね?もう関係ないって』



さっきの冷たい言葉と表情が頭から離れない。


あたし、何も言ってないのに。

なんで。
あたしの言葉は聞いてくれないの。


星那はあたしがそんなことを言うようにおもってたんだ。


さっき星那の隣で星那の浴衣を掴む莱久さんに
嫉妬で狂ってしまいそうだった。


信じてって言うなら
自分が信じるべきなんじゃないの?


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