【完】キミにぞっこん
「っ」



朝食会場の前についたとき
目に映った光景に立ちすくむしかなかった。



さっきの椅子で泣いている莱久さんと
その莱久さんを抱きとめてる星那。



こんな場面見せられて
信じてほしいって言われたって
信じられるの?



「あっ」



あたしたちが立ちすくしていると
莱久さんがこちらに気づいて声を発する。



「やっぱり」



莱久さんの声に反応したのは、奏汰さん。



「どう、して。かなくんが…」


「ここにいるって聞いてたから」



奏汰さんがふたりに近づく。



「お前はそんなにこの男がいい?」



奏汰さんが星那を指さす。



「星那のほうが一緒にいてくれる」


「莱久のこと思ってるならちゃんと気持ちとか言ってやってくれないと困ります」



とか言ってる星那はまだ、莱久さんを抱きしめてて。



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