【完】キミにぞっこん
「でも、君のものではないと思うんだけど」



奏汰さんがふっと笑う。



「それはそうだけど!」



星那がやっと奏汰さんを見る。


と、同時に奏汰さんの後ろにいるあたしに目を見開く。



星那が莱久さんのこと大切にしてるようにしかきこえない。



「星那のバカ!」



あたしはそれだけ言って、走り出す。



「愛來!まてよ!」



バタバタと後ろから追いかける足音が聞こえる。



「待てって!」



星那のほうが足が速くて。
簡単に捕まえられる。



「違うから!」


「なにが違うの?信じてって言うなら信じられるようにしてよ!」



ここがどこかなんてもうどうてもよかった。

自分の感情なんてコントロールできない。


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