【完】キミにぞっこん
「あれ、君ってK社の受付の子じゃない?」



彼女の後ろから顔をだした男性が聞いてくる。



「あ、はい。あ…N社の…」



よくうちの会社に出入りしている人だった。



「だよねー。見たことあるきがした」


「K社って如月くんのとこよね?」



さっきの女性から星那の名前が出て、顔が赤くなりそうになる。



「そうだよ」


「てか、如月くんは?」


「今トイレ」


トイレの方を指さす。


…ん?
星那がいるってこと。



「せ…如月さん来てるんですか?」


「うん。今日はあたしの送別会だから取引先のみなさんも呼んだの」


「そうなんですか…」



あたしはそれだけ言うと、自分たちの個室に戻る。



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