【完】キミにぞっこん
「会いたいって思ってたのはあたしだけ?」



そんなことないって分かってる。



「そんなわけないだろ。俺はいつも会いたいって思ってる」


「会う時間なくてもこっちに来てることぐらい言ってほしかった」


「俺の勝手な判断で報告しなくていいって決めてごめん」


星那があたしに頭を下げる。



「さっき、N社の人に会って、星那が来てるって聞いたの」


「そっか…」


「その時すっごい寂しかった」



あたしの言葉に星那の手が伸びてくる。



「俺の範疇で決めるのはダメだな」



あたしの頬を包み込む。



「…星那」


「愛來と会いたいって気持ちは俺も一緒だから」



そのまま星那の唇が落ちてくる。


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