【完】キミにぞっこん
「星那、相変わらずだなー」



智志くんがふっと笑う。



「相変わらず?」


「嫉妬深いってこと」


「あー」



嫉妬されればされるほど
星那の愛を感じて嬉しいんだ。



「愛來はそれでうれしそうだな」


「え、」


「嬉しいんだろ?」


「うん。愛されてる感じするもん」


「そういうところも俺とは違うよな」



一瞬苦しそうな表情になる。



「智志くん?」


「なんでもねーよ。俺は由月と結婚決めたんだから」



なにか言い聞かせるような感じの智志くん。

彼も彼でもがいてるのかもしれない。
でも、もうあたしには助けるすべはない。
あたしが好きなのは星那だから。


「結婚おめでとう」


笑顔で言えるよ。


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