【完】キミにぞっこん
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「如月さーん!もう少しでいなくなっちゃうの寂しいですー!」



予想通り酔っ払った葛城は俺の隣から離れない。



「莉佳ったらほんとに如月さん好きだよねー」



葛城の親友らしい桑名が笑う。



「なにがいんだかね」


「如月さん、莉佳のタイプそのまんまなんですよ」


「タイプねぇ…」



タイプって言葉を聞いて俺の頭に浮かぶのは
やっぱり愛來の笑顔。
タイプって言葉だけで思い出すほど重症らしい。



「如月さん、何笑ってるんですか?」



桑名がきょとんとした顔になる。



「いや、ちょっと思い出し笑い」


「彼女ですか?」


「まぁ、な」



愛來の声が聞きたい。
そう思ってしまう。



「あっ」



忘れてた。
愛來にLINEするの。


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