【完】キミにぞっこん
こいつはきっと夢をみてるんだ。
夢の中で、好きなやつが出てきたんだ。
そうだ。絶対そうだ。


そんなことを考えているとポケットの中でスマホが震える。



桑名が掴んでいない方の手でポケットからスマホをだす。


愛來
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まだ帰ってきてないの?
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愛來からのLINEだった。


愛來って文字をみるだけで頬が緩むのがわかる。



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いま飲み会帰りだよ
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愛來に返事をする。



起きてるなら
家に帰ってから電話しよう。


愛來の声が聞ける。
そう思っただけではすげぇ嬉しくなるから俺は超単純だよな。



「つきましたよー」



運転手の声にハッとなる。



「あ、ありがとございます」



お金を払いタクシーを降りる。



「桑名、起きれるか?」


「ん…」



虚ろながら目を開ける。


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