【完】キミにぞっこん
「ちょ…」



俺はその後を走っていこうとする。



「如月さん!待って!」



俺の手を離そうとしない桑名。



「まじ、離せ!」



俺は桑名の手を振りほどいて走り出す。



なんで、なんでここに愛來がいるんだよ。



あくびをしながら見えた先には、俺らを見て泣きそうになってる愛來がいて。


でも、思考がついてかなくてしばらくフリーズしてるうちに愛來が俺らにぶつかって走ってって。

そこで気がついた。
手を繋いでいたことに。



俺はポケットからスマホを出して、愛來に電話する。



━━プルル


無機質な電子音が数回なる。


━━プープー



切られた。



「くそっ」



俺は走りだす。

はやくみつけださなきゃ。
取り返しのつかないのことになる気がしたんだ。



「くそっどこだよ」



あれは絶対勘違いさせてる。
なんで、他の女ならうまくいくのに
愛來だとなかなかうまくいかねーんだよ。

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