【完】キミにぞっこん
「や、ごめん。迷惑、だよな」



いつになく弱気の俺。



「迷惑だなんて、そんな」



愛來が恥ずかしそうに目を伏せる。



「ちょっとこっち」



たまらなくなって俺は愛來を会場から出す。


もったいないけど、もうすぐで終わりだったし、このままなんて無理だった。


今すぐ彼女に触れたい衝動に駆られた。



「愛來」


「きさ、らぎさん」



俺の名前を恥ずかしそうに呼ぶ。



「星那」


「星那さん」


「さん、いらない」


「せ、な」



愛來の言葉を聞いたと同時に体が動いてた。


気がついたら俺の腕の中に愛來がいた。



「愛來、俺と付き合うの嫌?」



勇気を振り絞って聞く。



こんなに怖いのは初めてだ。


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