【完】キミにぞっこん

「星那の言葉が一番あたしの胸には響くんだよ」

「お前らもうすぐ1年じゃね?」



昼休み、泰志がご飯を頬張りながら聞いてくる。



「あー。来週な」


「まさか星那が1年も続くなんてな」


「うるせーよ」


「でも、ま。安心だな」



泰志がニコニコして俺を見る。



「なんだよ。気持ち悪い」


「結婚、すんの?」


「いやしないよ」


「なんだそろそろかと思ったのに」



がくんと肩を落とす。



「なんでお前が落ち込むんだよ」


「結婚すりゃさ、ここから転勤とかあんまなくなるじゃん」


「まぁな。ひとりもんがいくよな」



でもいままで独り者だけど、全く転勤してないけどな。



「でも、転勤なったほうがさきっかけは掴めるよ」


「なんの?」


「結婚」



まぁ、たしかに。
さすがに転勤になったらまず意識するよな。



「てか1年記念はなにすんの?」






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