【完】キミにぞっこん
「あの子、この前商談で会ったわ」


「あー。あいつH社だもんな。元気そう?」


「元気だったよ。なんか張り切って仕事してた」


「あいつらしいや」



美桜とは同い年で、入社以来友達としてやってきた。
まさかあいつが俺のことを好きになってくれてるなんて告白されるまでは全然知らなかった。



「まだ彼氏はいないらしい」


「へー」


「反応うすっ」


「どーでもいいもん」



美桜に彼氏がいなかったところで
何かあるわけじゃないし。
だいたい振られたのは俺だし。



「星那?」



後ろから声をかけられる。



「…美桜」



ウワサをすればなんとやはらというやつか。
たっていたのは美桜だった。



「あ、泰志くんいたんだ」


「いや、気づくでしょ普通」



泰志がぷっと吹き出す。



「今日は泰志くんのとことミーティングなの」



美桜が俺に告げる。



「そっか」


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