【完】キミにぞっこん
「今回はなんなの?」



泰志がチケットをのぞき込む。



「んーと」



チケットには

〝ジュエリー展〟

と書かれていた。



「ジュエリーか」


「愛來ちゃん好きそうじゃん」


「そうだな」



俺はスマホを出して検索をかける。



「どんな感じ?」



泰志が今度はスマホをのぞき込む。



「なんかジュエリーの展示とあと作る過程とかアクセサリーに彫刻の体験とかできるんだって」



俺はスマホに表示された情報をかいつまんで話す。



「それ、愛來ちゃんに指輪プレゼントして、それに彫刻したら?ってもうあげてるか指輪は」


「いや、婚約指輪渡そうと思ってんだ」


「まじか!」



なぜか喜んでいる泰志。



「なんでお前が喜んでんだよ」


「ふたり結婚したらいいなーってずっと俺は思ってるからさ」


「ふーん。結婚の先輩は余裕っすねー」


「おまえー!」



泰志が俺の頭を叩く。


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