【完】キミにぞっこん
「美桜?」


「なんでもない!彼女と仲良くね」



美桜が俺の横を通り過ぎる。



「あ、あぁ…」



美桜は付き合ってる時だって1度もあんな顔したことなかった。

さっきの美桜の顔が頭から離れない。


あーもう!

俺は気づいたら走り出してた。



「美桜!」



俺の声に美桜がびくっとする。



「ど、したの?」



その声はどこか震えていて。



「泣いてる?」


「違うの!これは」


「なんかあった?」



俺は美桜を自分に向かせる。



「いま付き合ってる人がいるの」


「そうなんだ」


「でも、その人結婚してて…」


「は?」



それって…
不倫してるってこと。



美桜の顔を見れば、すごく苦しそうな顔をしてる。


「そんな苦しい顔して恋ってするもんじゃねぇだろ」


「星那?」




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