【完】キミにぞっこん
━━ドンッ!!


走って星那の背中に体当たりをした。



「いてっ」



驚いた顔でこちらを振り向く。



「愛來?」



きょとんとした顔になる。



「星那!ごめん!ヤキモチ妬いた!」



そのまま星那にぎゅっとしがみつく。



「…愛來」


「ごめん!星那の気持ち踏みじって!」



星那に頭を下げる。



「何言ってんだよ。俺が悪いんだよ全部!」


「星那じゃない!あたしが悪いの!だって星那は今日どういう風にしようかって一生懸命考えてくれたんだよね?」


「…そうだね」



星那が力が抜けたようにしゃがみ込む。



「星那?」


「安心したら力ぬけちゃって」



力なく笑う。



「なにそれ、かわいい」



星那と同じようにしゃがみ込んで星那をだきしめる。



こういう星那を見れるのはやっぱりあたしだけだから。
彼女の特権大事にしたい。

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