【完】キミにぞっこん
「ごめんな。愛來のこと傷つけてばかりで」


「あたし1度も星那と付き合ってから傷ついてなんていないよ?」


「え?」


あたしの言葉に顔をあげる。



「だって星那、いつもあたしのことを第1に考えてくれてるじゃん。仕事が忙しいかもしれないけど、そんなのは星那があたしのことすきでいてくれてるって信じてるから大丈夫だし!」



あたしの言葉に星那がとっても優しい笑顔になる。



「こっちきて」



星那に手を引かれて公演に連れていかれる。



「星那?」



木陰まで来たところで止まる。



「好き。すげぇ好き」



星那の唇が舞い降りてくる。
軽く重なる唇。



「星那!」



恥ずかしくて声をあげてしまう。



「あんなふうに俺のこと言ってくれる子いなくて。ほんとにうれしかった」



星那の言葉に自分の頬が緩んでいくのがわかる。


星那が好き。
その気持ちを大切にしていこう。



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