【完】キミにぞっこん
「ねぇ、嵌めてくれる?」



指輪を箱から出して星那に渡す。



「今回は左手な」



星那の言葉に左手をまえにだす。



「婚約だもんね」


「はい」



星那があたしの左手の薬指に指輪を通す。

キラキラ輝いた指輪。
これを準備しててくれたんだな。



「わぁー。きれい。ありがと」



指輪を星那に見せる。



「いつかもう一つ増やそうな」



あたしの頭を撫でる。



「…星那」


「まだまだ俺未熟者だからさ。自信がついたら必ず渡すから」


「うん…」


「それまで俺を離さないでくれよ」



星那の言葉に涙が出そうになる。
そのまんま星那に抱きつく。



「なんかもうプロポーズされてるみたい」


「してるようなもんだろ」


「嬉しい!」



星那にさらにぎゅっと抱きつく。
星那もぎゅっとしてくれる。
この瞬間が大好き。



< 214 / 235 >

この作品をシェア

pagetop