【完】キミにぞっこん
「わー綺麗な眺め」



案内された席は夜景がよくみえる。


「ここ、前来たときいいなって思って予約するときにお願いした」


「星那ってほんとよく出来た男」



あたしの言葉に照れた顔になる。



「愛來だからだよ」


「星那」


「別に愛來の前に付き合ってた子たちの時は全然こういうの考えなかった。自分したいようにしてたしな」



〝ははっ〟て笑う。



「こうやって考えたくなるのはやっぱり愛來が大事だから」



にっこり微笑む。



「あたしも星那が大事だよ」


「ありがと」



二人で顔を合わせて笑い合う。


この瞬間がとても幸せ。
星那といると幸せなことばかりだ。



「如月さん!」



シェフらしき格好をした人があたしたちのテーブルにやってくる。



「佐賀さん!」



星那もその人に人懐こい笑顔で反応をする。



「いまさ、新しいプロジェクトでこのレストランと取引してるんだ」



キョトンとしているあたしを見て星那が話す。


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