【完】キミにぞっこん
「そろそろ愛來ちゃんも
つぎに動くべきじゃない?」



早瀬があたしの頭に手を置く。



「そう、だね」



二年前のあの日の
失恋をいまだに引きずっている。


これまでにとくに出会いっていう出会いもなかったし。


でも、こんなにも
胸を締め付けられたのは初めてで。

これが一目惚れっていうんだなって
思った。



「愛來ちゃんなら可愛いし大丈夫だよ」


「ありがとう」


「あ、如月さん同じ大学らしい」



早瀬がパンフを見せてくる。



「あ、ほんとだ」


「五つ上なんだね」


「まぁ、部長クラスだしそれ以上
上にはなるよね」



でも、出世はやいほうだよね。たぶん。



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